大通公園の白い滑り台

 

「息子の故郷も札幌がいいなあ」

 

  先日、大通公園を歩いていると、白いセメントの大きな滑り台で子どもが滑って歓声を上げていました。山を半分にわったような巨大な滑 り台。僕も子どものころ大好きでした。この滑り台、今はあまり見なくなったけど、僕が子どもの頃には札幌のいたるところにあったように思います。 

 

この白い滑り台をイサムノグチが気に入って、白の前に黒い御影石の滑り台を置くと決めたのは8丁目と9丁目を分ける道路の上。かれは白の滑り台を彫刻ととらえ、自らの作品とのバランスを考えると、東側にあった路上になったといいます。

 

当時、札幌市の英断で道が塞がれたそうです。大通公園の正方形に近い二つの区画が繋がって大きな長方形ができました。公園は繋がって、子どもの遊び場が広がったといいます。

 

札幌の気候風土を褒めて下さる方が沢山います。それもとても有り難いことです。そして、自然が良いだけじゃない。先輩達の努力で良い街になってきたのだと。 

 

私 の息子は神奈川県で産まれました。彼に、雪を見せたい。大通公園で白い滑り台も、黒い滑り台も滑らせてやりたい。街から すぐの森も、海も、湖も、川も、山も、畑も、動物園も、美術館も、コンサートホールも、人の良さも、僕の知っている札幌を全て彼に伝えたいと思って帰って きたのは18年前。

 母の老後と、将来自分のところにやってきてくれるかもしれない孫と何処で遊ぶか考えるのが楽しい季節です。

 

 

2013.7.22 杉山幹夫
 

「息子の故郷も札幌がいいなあ」